四つ這いと反射

こんにちは!
 
前回四つ這い移動に必要な筋肉についてお伝えしました。
 
今日は別の観点から、
四つ這いについて語ってみたいと思います。
 
よつばいの恰好を思い出してください。
 
肘を伸ばして、手関節は背屈、肩は0度屈曲位
膝を90度に曲げ、股関節は90度屈曲位 足関節は底屈
頸部を伸展させて、前を向いていますね。
 
実はこの格好ができるためには
原始反射である ”対称性緊張性頚反射”(STNR)が
消失している必要があります。
 
原始反射 ATNR(非対称性緊張性頚反射)の話を
「股関節・向き癖」のところでしましたね。
 
ここではSTNRです。
ネットで検索!!(‘;’)
 
この反射、動物がえさを食べるときの恰好と、
顔を挙げているときの格好を作っています。
 
 
 
人間になるには、
この反射も消失しなくちゃいけないんです。(^-^;
 
 
さてさて ここから、
どうやって手足を動かすか?です。
 
①多くの赤ちゃんは、対角線上の上下肢が
同一方向に動く、左右交互型です。
crossed (diagonal)reciprocal pattern
(つまり、右上肢→左下肢→左上肢→右下肢の順に前に出す)
 
 
②時に、左右の上下肢が同じ動きをする
左右対称型 もあります。
homologus pattern
(両上肢→両下肢の順に、前に出す)
 
これ、うさぎちゃんの動き方に近いため
よく ”Bunny Hopping”  と言います。
 
これ、脳性麻痺の子どもさんに多いので
要注意!です
 
これは左右の分離した動きが
うまくできていないのですね。
 
歩く時には、必ずこの
左右の分離した動き、が必要なわけで
 
これができるようにならないと、
うまく歩けるようになりません。
 
 
それからもうひとつ、
 
③四つ這いで進むとき、
足先を床につけずに、膝だけついている子を
ときどき見かけます。
 
これは、発達障害の子どもさんに多いかもしれません。
足の裏が敏感で、足先を浮かしてしまうのでしょうか?
 
とにかく、足先を浮かせて四つ這いする児は
始歩が遅いようです。
 
第2青い鳥学園の元院長、岡川先生が、
以前に学会発表されていました。
 
きょうはこれくらい!
お疲れ様でした(*^^*)
 
 

成長期以降のリハビリテーションの意味

今日は私の思いをお伝えします。
 
 
先日、メルマガを読んでくださっている
遠くの看護師さんから
メールをいただきました。
 
重度の障害をお持ちの方の
訪問リハや、レスパイトなどをされている
ベテランの看護師さんです。
 
重度の障害で成人されている患者さんに対し、
熱心にリハビリに取り組まれているのですが、
 
地域のDr.から、
 
「そんなに頑張らなくても…」
 
「お母さんたちに負担をかけなくても…」
 
「体をリラックスさせたからって
呼吸しやすくなるなんて、あり得ない」
 
などど言われ、
 
ご自分のされていることが
本当に、意味のあることなのか
 
自信を失いかけて
私にメールをくださいました。
 
私はそのメールを読んで
 
ものすごく
 
残念な気持ちでいっぱいになりました。
 
医師ともあろうものが
そんなことを言うなんて…
 
 
 
 
脳性麻痺など、重度の障がいをお持ちの方は
 
高校を卒業し
 
環境が変わると
 
二次障害が顕著に表れてきます。
 
かろうじて、歩行器で歩けていた子は
歩かなくなることで
歩けなくなる。
 
出来ていたことが できなくなる。
 
側彎や、股関節脱臼、膝の拘縮など、
変形は容赦なく進みます。
 
毎日していたことを、
卒業後もし続けることが
どれほど大切か。
 
実は 私も、開業するまで
はっきりとは 知りませんでした。
 
なぜなら
療育センターは
18歳までしか
診ることができなかったから…。
 
 
 
触れられることが減り、体が硬くなると、
胸郭が膨らまなくなり
呼吸しずらくなる。
 
頸部や顔面の筋も 緊張が強くなると
咀嚼も、嚥下もしにくくなる。
 
だから
体を柔らかく保つことは
ものすごく大切です。
 
命に関わってくるのです。
 
療育センターを卒業した患者さんの
リハを続けること
ずっと診続けること
そのために開業した私の選択は
間違っていなかったと思います。
 
 
でも
 
かつての私も
 
「18歳を過ぎたら
もうリハビリにとらわれないで
ゆっくり過ごしたらいいよ」 なんて
 
どこから学んだのか
 
そんな恐ろしいことを
患者さんやご家族に
言っていたのです(-“-)。
 
だから、
 
知らないということは
恐ろしいことです。
 
どうか
このメッセージが
 
たくさんの人たちに
 
伝わりますように!
 
 
今日も読んでくださって
ありがとうございます。
 
 

ダウン症の合併症

今日はダウン症の6回目 
合併症についておはなしします。
 
といっても、私は整形外科医なので
内科の話はあまりわかりません。ごめんなさい。
 
合併症について、
わかる範囲でお伝えしますね。
 
生後すぐにわかるものとして
心疾患の合併が挙げられます。
 
これは約半数にあると言われています。
心臓の根治術をすることで、多くは非常に元気になり
ダウン症児の中でも、
特にゆっくりだった運動発達が、
術後に目覚ましく改善することがほとんどです(*^^*)
 
また、末梢の循環が良くないことも多く、
手足が冷たく
下肢の網状皮斑をよく見ます。
 
次に、易感染性には注意が必要です。
呼吸器感染症になりやすく 
肺炎に移行しやすいと言われています。    
 
甲状腺機能低下症も時々あるようです。
甲状腺自己抗体陽性者が、一般の2~3倍と言われています。
 
難聴も有名ですね。
外耳道が非常に細く、中耳炎になりやすいことも
原因の一つでしょう。
 
 
白血病の発症頻度は、一般人の20倍と言われています。
 
そして、アルツハイマー病との関連も、研究されています。
 
一般に、ダウン症は、老化が早いと言われています。
30~40歳台で、すでに老化が進み、
体力低下、外見的老化、認知症も進むといわれます。
 
 
身体的特徴として
低身長
肥満になりやすい
 
等も知られていますね。
 
しかし、ダウン症の生命予後は
医学の進歩に伴い
近年大幅に延長しています!
 
1960年代には20歳程度だったそうですが
1981年のデータでは、40歳。
現在は、60歳を超えると推測されています!(*’▽’)
 
 
 
今日はこれくらいで。
 
読んでくださって ありがとうございました!
 
 

脳性麻痺 診断と分類

こんにちは!
 
今日は脳性麻痺の診断と分類について語ります。
 
私がまだ若かりし頃、
 
筋緊張の異常や姿勢の異常、運動の仕方を観察し、
周産期の状態から 脳性麻痺を疑い
小児神経医にご紹介しておりました。
 
ですが 症状は明らかにあるのに、
以前のMRIなどの画像診断では、
異常がわからないこともありました。
 
紹介したのに、異常なし!って言われ、
母は喜んでよいのやら…
 
異常なし! って言われても、
異常あるんですけど…(-“-)
 
ってこともしばしば。
 
 
 
しかし今では
検査技術の進歩によって
周産期歴と画像所見から
ほとんどの脳性麻痺が診断できるようになりました。
 
ですから、以前の様な、
臨床症状からの名人芸的な診断は
必要なくなった、と
大阪 森之宮病院の小児神経医、荒井先生が
おっしゃっていました。
 
今や
画像診断から脳性麻痺の診断ができるようになり
診断だけでなく、
病型分類、
今後明らかになってくると思われる随伴症状、
予後(運動発達の予測)まで、
ある程度可能になったとのこと。
 
やっと学問としても、クリアになってきたのですね!
 
ここでAACPDMによる分類基準をお話しします。(PT向け)
(AACPDM:American Academy of Cerebral Palsy and Developmental Medicine)
 
1)運動の異常による分類
運動障害の性質と類型:
筋緊張異常:過緊張・低緊張・筋緊張の変動など
運動の異常:痙性・失調・不随意運動
機能的運動能力:
GMFCS(粗大運動機能分類システム)
2)随伴症状による分類
感覚障害、二次的な筋骨関節の障害、
神経発達上の問題(てんかん、聴覚・視覚異常、注意・行動・コミュニケーション・認知)
3)解剖学的・神経画像所見による分類
解剖学的分布:運動障害の分布
画像所見:CT,MRIによる神経解剖学的所見
4)原因/受傷時期による分類
 
頭こんがらがりました…?
 
これ以上は、難しすぎるので止めます!!
 
まとめます。
 
今日言いたかったことは、
 
画像診断が発達し、
 
“脳のこの部分に、
こんなふうに、ダメージが起きたから
こんな症状が出る”
 
ってことを
考えて治療しましょう!
 
と、荒井先生からお聴きしました。
 
私はもともと整形外科医なので、
まだまだこのようには行きません(-_-;)
 
がんばります!
 
 
 
 

股関節脱臼の診断

こんにちは!
 
股関節脱臼について
もう皆さん かなり詳しくなりましたね!
赤ちゃんをみたら、きっと
姿勢が気になってしまいます(;^ω^)
 
 
今日は診断についてお話しします。
 
股関節が心配で、受診されると
私はまず、あおむけの姿勢を観察します。
 
向き癖強くないかな?
(これを確かめるために、頭の形を触ってチェック!
むき癖の強い方の後頭部は、平らになっているんです!)
 
斜頸はないかな?
(これがある場合、向き癖を取ることが難しいので
斜頸への配慮も必要です。)
 
 
足は両方よく動かしているかな?
 
 
次に開排制限をチェック
 
Allis signといって、
両膝を立ち膝のようにして
膝がしらの高さを左右で比べます。
 
これで左右差がある場合
低い方の足が短いか、
低い方の股関節がずれている
つまり脱臼あるいは亜脱臼(はずれかけ)
している可能性があります。
 
次に股関節の不安定性を触診します。
これは皆さんはやめてくださいね!
頻回に行ったり やり方が悪いと
股関節を悪くしてしまうことがあるんです(*_*)
 
 
そして次に運動発達がどれくらい進んでいるかをチェック
 
うつ伏せにして、頭はどれくらいあがるかな?
 
月齢相当の発達(運動・精神)が進んでいるかな?
 
下肢腱反射もチェック
 
ATNRは出ていないかな?
 
異常な筋緊張はないかな?
 
これらは、股関節の異常を引き起こす原因として
ベースの疾患がないかを確認しています。
 
とういのは、
例えば脳性麻痺とか、筋疾患とか
神経や筋肉の異常があることで
股関節が外れやすくなっている場合もあり、
 
その場合、股関節だけ治療しても
よくならないので、
 
ベースの疾患に対しても、
一緒にアプローチしていかないと
いけません。
 
そうそう。
股関節脱臼の患者さんは
筋肉が柔らかい、つまり低緊張なことが多いんです
 
だから低緊張からくる他の疾患も
合併してくることがあります。
 
おなかの中の肢位が悪かったこと
股関節脱臼の原因だった場合
別の変形も一緒におこしていることもあります。
 
例えば 
内反足や 外反踵足といった足の変形、
立つようになると
扁平足など…
 
脱線しました(^-^;
 
 
 
さて これだけ診察室で観察した後、
 
最後に
月齢によっては超音波エコーで検査
或いはレントゲン撮影をします。
 
「なんだ、最初っからレントゲン撮ればいいじゃん!」
って思いました?
 
でも、それだけだと
見落としてしまうことがたくさんあるんです。
 
なぜなら、レントゲンは、
その瞬間をとらえるだけです。
関節の緩さや、その子の背景の状態(ベースの疾患)などは
レントゲンではわかりません。
 
ですから
私はこれだけのことを、いつも行っています。
 
そして 患者さんにとってのベストな治療
診察頻度などを考えます。
 
 
 
次回は治療についてです。
 
ここまで読まれた皆さんは
もうすっかり股関節博士ですね!
 
今日もお疲れ様でした~(*’▽’)
 
 

四つ這い~人類の進化!!

こんにちは!
今日は正常発達の5回目、四つ這いについてです。

ずりばいが上手になると、お尻をモコっと持ち上げて、
肘を伸ばし、おなかを持ち上げ、
四つ這いの格好になりますね。
まずはその格好で、体を前後に揺らします。
そして片手を床から離して、おもちゃで遊べるくらいになると
いよいよ前に進みます。

この過程を、詳しく見ると、
重力に逆らって、肘を伸ばす力(上腕三頭筋など)
おなかを持ち上げる力(腹筋群など)
股関節を90度くらいに固定して、
重力に逆らってお尻を持ち上げておく力(股関節周囲筋群など)
がついてこないと できません。

ちょっと前に戻って
ずりばいは、爬虫類の動きと言われます。
重力に逆らって体を持ち上げる筋肉は
あまり働いていません。
そのかわり、体を前に進めるための
推進筋が働いているんです。

この推進筋多関節筋と言われる、関節二つ以上を含むものに多く
関節を固定することは苦手ですが
勢いをつけ、前に進ませることが得意です。
想像してみてください。
筋肉が収縮した時、
その間に2か所動く関節を挟んでいたら
関節を固定することができないですよね?

それに対して、四つ這いで必要なのは、抗重力筋
この抗重力筋、単関節筋と言われる、
関節を一つだけ挟んで骨に付着する筋群に多いんです。

関節を一つだけ挟んで、その関節の前後の筋肉が同時に収縮した時
関節は固定され、
重力に負けずに持ち上げることができるんですね。

この筋肉が発達して
始めて四つ這いになれるんです!

つまり、
四つ這いができるようになった赤ちゃんは、

爬虫類から
四つ足動物に進化したって
ことですね!(*’▽’)

四つ這いはもっと奥が深いので、
それは次回に…(^_^)/~

 

進行する疾患の患者様へ

進行する病気の患者様へ

先日、診察にみえた患者さんの話をしたいと思います。

礼儀正しくて、優しくて、
とっても素敵な女性です。

子どもの時から、ずっと見てきた患者さんです。
小さいときから歩き方が不安定で
療育センターにみえました。

専門の病院を紹介し
進行性の筋肉の病気と診断されました。

幸いにも症状の進行は遅く、
今でも杖をついて、歩くことはできています。

この春
一般企業に就職することができました。

しかし最近、転倒し、
自分で起き上がることができず

徐々に症状が進んでいることを
自覚するようになりました。

普段はとても気丈に、明るくふるまっている彼女が
リハビリのあと、
心がいっぱいいっぱいだったのでしょう。
不安が涙になって
溢れてしまったそうです。

先日お母さまと一緒に受診され
その話になりました。

母は、彼女が夜中に泣いていることを
初めて知りました と。

そんなとき、
私はどんなことを言えばいいのでしょうか?

健康な私には
どうしたって、
彼女の気持ちをすべてわかる、 
などど言う資格はありません。

想像することはできるけれど
偉そうなことを言って、励ますことなどできません。

その時、私が言えたことは

「偉そうなことは言えないけれど、
今はこの気持ちを 乗り越えなきゃいけない時期だと思う。

症状は進んでしまうけれど、
失われていく機能を嘆くのではなく、
残されている機能を使って
もっとできることを増やしましょう。
パソコンだって、もっと使えるようになれるよね?
前を、上をみよう。

今は医学がどんどん進歩していて
この病気についても治療法の研究が 
すごい勢いで進んでいます。
まだ臨床応用はされていないけれど、
症状の進行を抑制するばかりでなく
治してしまう治療法だって研究が進んでいる。
だから決して 希望を捨てないで。

そして職場では、無理をしないで。
頑張るだけじゃなくて、
弱いところを見せられる関係を作ろうね。

今ある機能をできるだけ維持できるよう
私たちも精一杯、考えていくね。
一緒に頑張ろう。」

もっと気の利いた話しはできないものか と
ただただ反省(/_;)

2年前、北海道の八雲病院に勉強に行ったとき、
カリスマPTの先生に、こう言われたことを、
うちのPTが 思い出させてくれました。

「失っていく機能を嘆くのではなく
その時その時の状態で 人生を書き換える
勇気を持ってほしい。」

深い言葉です。

私はまだまだ、修行が足りません。

読んでくださってありがとうございます。

ダウン症児の知的障害

こんにちは!
今日はダウン症の5回目
ダウン症の知的障害について です。

知的障害の程度は、ダウン症児の中でも様々で、
IQ 30から70くらいまで広範囲に広がっています。

軽度(IQ,DQで50~75)から中度(25~50)の知的障害が多いようです。
ただし、年齢が上がるにつれて、健常児との差は開いてしまい
IQも下がってしまいます。

ちなみにIQは知能指数(intelligence quotient)と言って、
「同年齢の集団においてどの程度の発達レベルなのか」を把握するため、
年齢別の平均値を基準として算出したものです。
一番多い集団が100(平均的)ですね。
70以下が知的障害と言われます。

DQは発達指数(developmental quotient)と言い、
種々の発達検査で分かる
「発達年齢(発達の状態がどのくらいの年齢に相当するか)」を
「生活年齢」で割り、100を掛けて算出します。
これも平均的な発達だと、100くらいです。

ダウン症児のIQは、年齢が上がるにつれて下がってしまいますが、
決して発達が停止するわけではなく、
精神年齢はちゃんと上がっていきます(*^-^*)

但し、中学くらいで頭打ちになることが多いようです。

さてさて最近は、
9割のダウン症児が幼児期、一般の保育園や幼稚園に通っています。

小学校1年生の段階では、2~4割のダウン症児が
通常学級に通っているそうです。

中には中高まで、通常学級で教育を受けている子もいる子も!

言語発達については、
単語から談話レベルは、獲得できますが、
単語での会話が中心で、
意味のある言葉を獲得できない児も5~10%いるようです。

学習能力については
ことばや記憶、数の概念などに比べて
社会性、視覚的判断や、目と手の協調運動などが
比較的得意なことが多いようです。

耳から入る刺激より
目から入る刺激に強い!

だから耳で聞いて覚えるより
目で見て覚える方が得意です。

聴覚障害の影響もあるのでしょうね。

そして手先は器用(‘;’)

そういえば、
ダウン症のなかには
書道とか、
芸術の分野で大活躍している人もいますね!(*’▽’)

社会性は幼少期、本当に優れていますよね!!
とにかく愛想がよくて 可愛い(*^。^*)
健常児の比ではありません!(^^)/

今日の話は、先日のダウン症の講義
橋本先生のお話から
たくさん引用させていただきました。

ではまた!

日本の脳性麻痺は増えている!?

今日は脳性麻痺の疫学、
最近の日本での状況について
お話しします。

実は脳性麻痺の頻度もタイプも
お国によってかなり差があるようです。

公衆衛生、
つまり赤ちゃんが生まれる場所の環境、
医療がどの程度進んでいるか?
そしてその国の、死生観によっても変わる。
これはとても重い問題です。

つまり、極端に言えば、
産婦人科医や助産婦さんといった、
専門家がいないところで出生するとき、
出産に手間取り、低酸素状態が続いてしまうかもしれません。

死生観に至っては、

お国によって、
「こんなに小さい赤ちゃんを助けるのか⁉」
と言って、
日本の周産期医療に驚かれることもあるそうです。

つまり、健常に育つ可能性の低い赤ちゃんは
最初から助けない

そういった国も、実な少なくないのです。

発展途上国だから、ではありません。

日本は全て助けますよね。多分。

と言うことで、

日本における発症率は、
1980年ごろ 1000出生に1人だったのが、
1990年ごろには 1000出生に2人に増え、
現在は 約2.5人と推測されるとのことです。

増えています。

その理由として

① 在胎32週未満の早産児が、死ななくなったこと。
② 在胎28週未満でも、助かるようになってきたこと。

この、周産期医療の進歩が
大きく関わっているのです。

そしてこの②番目の赤ちゃんは、
以前とは違った、新たなタイプの脳性麻痺として
発症するのです。

ちょっと皮肉ですね…

今日は
これくらいに。

向き癖について

今日は股関節脱臼の原因となりやすい、
「向き癖」について、もう少し詳しく
お話しします。

生後間もない赤ちゃんは
半数以上、どちらか片方を向きたがる癖があります。

ここでいう、むきぐせとは、
あくまでも、癖であり、
筋性斜頸や、脳性麻痺などの麻痺によるものとは
べつものです。

例えば、ある赤ちゃんが右ばかり向いている場合、
右のほうへ身体がねじれ、
反対の左側の股関節の開きがかたい(開排制限)ことがよくあります。

この場合、左の股関節は、やや内側に向いていて、
膝を立てていることも多いです。

この状態が長く続くと、
大腿骨の骨頭は、後ろに外れやすくなります。

一般的に、右向きの向き癖の赤ちゃんが多いので、
股関節脱臼は、左が多いんです!

なんと、右利きのママは、
抱っこの仕方や寝る位置から
赤ちゃんの、右のむきぐせを
作りやすいそうです (*_*)

さてさてここでもう一つ、
むきぐせと関連して、
ATNRという反射をご存知でしょうか?
“非対称性緊張性頸反射” です。

別名“フェンシング姿勢”、なんていうこともあります。

(”ATNR”で画像検索してくださいね!!)

仰向けで顔が右を向いていると、
顔側の右の手足(上下肢)が伸展し、
後頭部側の手足が曲がる、
原始反射の一つです。

この影響もあって、
むきぐせが強いと、後頭部側の足が曲がって(立ち膝のようになって)
外れやすくなるんですね。

このATNR、正常では生後3〜4ヶ月くらいから徐々に消失します。

だって、
顔側の上肢、肘がいつも伸びていたら、
いつになっても、手に持った食べ物が口に入りません (~_~;)

むきぐせも、この頃には自然に改善することが多いです。

しかし、脳性麻痺の赤ちゃんは、
このATNRが長く残存し、正常発達の妨げとなってしまいます。

おっと、この話はまた別の機会に。

ということで、むきぐせを取るには、

① 寝る位置を工夫する
顔側に壁が来るようにして、向きにくい方から刺激が入るようにする。

② 向きやすい側の頭の下にタオルなどをかませ、
身体が顔側に捻れないようにして、
後頭部側の開排制限を治す。

これも寝返りし始めると、なかなか難しいですが。

では今日はここまで(^O^)

今日も読んで下さって
ありがとうございました。