今日は、ダウン症と肥満について
お話しします。
ダウン症の子どもさんは、
身長は低めで
小学校の高学年くらいから
ぽっちゃりする子が
とっても多いですね。
これについては、いろいろ説があるようです。
家庭内の食生活、とか
運動不足、とか
遺伝的素因とか。
でも、どうもそれだけではなく
ダウン症の遺伝子レベルの内分泌異常が
影響している、と
私の友達の小児科医が言っておりました。
一生懸命減量しているのに
ちっとも体重が減らない…
といった悩みを よく耳にするのは
そのためかも知れません。
でも、ダウン症児が全員肥満になるわけではありません。
すっごくスマートなダウン症の青年も
何人も
私は知っています。
さてさて、肥満になると
糖尿病や高血圧と言った、
内科的な問題が起きることはもちろん
整形外科的にも、ろくなことはありません。
30代~40代のダウン症の患者さんで
何人か、
当院にも来院されています。
膝の痛み、股関節の痛み、など
整形外科的な悩みで受診されるかたは
みな太っていらっしゃる。
肥満は 変形性膝関節症など、
老化ともいえる病態が
早くに起こってくるリスクになります。
ダウン症の場合、それ以外にも
膝蓋骨脱臼であったり
外反扁平足からくる足の痛みであったり
もともとの形態異常が関与して
さまざまな骨関節の痛みに
繋がる可能性があります。
では肥満を防ぐには どうしたらいいのでしょう??
私が思うに、
①子どものころから、運動の習慣をつける!
②楽しみ、夢中になれることを見つけておく!
③たくさん歩ける、良い足、良い膝、良い股関節を育てる!
と言ったことが、大切ではないかと。
①が大切なことは、想像に難くないと思います。
②は、いろいろ患者さんとお話ししていると、
「おやつが何よりの楽しみ!」
なーんていう子もいて、
そうなると、減量なんて 可哀そうで、できません。(/_;)
なかには、小さいときから
「この子(ダウン症児)が 不憫で…」
と言って、
美味しいものを食べさせすぎる
ご両親とか、祖父母さまとか。
これは本当に困ってしまいます。
食べさせすぎることが、
どんなにその子にとって不幸なことにつながるのか
わかってほしいです・・・ (~_~;)
そして③番!
整形外科の私にできる、
たった一つがこれなんです。
だから、
「ダウン症はこんなもの」
と言って、
扁平足の治療をしない医者がいるのは
許せない!
扁平足は、外反母趾の原因にもなり、
どちらも足の痛みや疲れやすさの原因となり
将来的な 肥満にも結び付くことを
知って欲しいです。