障害と股関節脱臼

今日のテーマは、「障害と股関節脱臼」です。

肢体不自由、つまり歩けない、座った姿勢を維持できないと言った
運動機能の障害をお持ちの方は、
大人になり、年齢が上がるに従って、
機能がますます低下してしまう、
いわゆる二次障害が出現してきます。

二次障害の中で、非常に頻度の高いものとして
股関節脱臼があげられます。

これは脳性麻痺に限らず、
二分脊椎、筋疾患、その他
筋力に異常をきたす疾患には、全て
股関節脱臼のリスクがある、
といってもいいかもしれません。

先日までお話ししてきてた
障害児ではない、乳児期の股関節脱臼は、
臼蓋の形や、
母のおなかの中、
あるいは生まれてからの足の位置(肢位)が
原因でした。

これに対し、肢体不自由の障害では、
股関節を支える筋肉の問題で、
脱臼、亜脱臼を起こしてくることが多いのです。

そのパターンには、大きく2種類があります。

一つは、筋力が弱すぎる場合。

大腿骨頭を、骨盤の屋根、臼蓋にしっかり押し込む筋肉として、
股関節外転筋群、伸筋群などが特に重要です。

これらが弱いと、股関節を90度以上屈曲していった時、
大腿骨頭が臼蓋の後ろにずれ、
脱臼を起こします。

屈曲に内転が加わると、さらに脱臼しやすくなります。

例えば、下肢の筋力の低下する、
筋ジストロフィーその他の筋疾患、
二分脊椎、その他染色体異常、
ダウン症も然りです。
(ダウン症の場合、臼蓋の形態にも少し特徴があるのですが)

股関節脱臼を来すもう一つのパターンは、
筋力不均衡、筋緊張の亢進です。

股関節は、開いておくと安定するのでしたね?

筋力の不均衡が起き、
股関節内転筋群の力が、
外転筋群の力より強くなると、
大腿骨頭は外にずれてきます。

脳性麻痺の痙直型では、
内転筋群の筋緊張が亢進し、
内転位を取りやすくなることで、
高頻度で、股関節亜脱臼や脱臼を起こします。

痙直型に限らず、
股関節内転位をとっていることが多い場合、
常に股関節の異常について
意識する必要があります。

例外として、
四肢麻痺で、最重度の障害の方で、
股関節が開排位で硬くなっている場合、
大腿骨頭が前方に脱臼してくることがあります。

股関節の外転(開排)拘縮も、
脱臼の原因になってくるのです。

私の日々の診療では、
ほとんどの場合、
股関節を触診させていただいています。

それくらい、常に気をつけなければいけない
合併症です。

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