進行する疾患の患者様へ

進行する病気の患者様へ

先日、診察にみえた患者さんの話をしたいと思います。

礼儀正しくて、優しくて、
とっても素敵な女性です。

子どもの時から、ずっと見てきた患者さんです。
小さいときから歩き方が不安定で
療育センターにみえました。

専門の病院を紹介し
進行性の筋肉の病気と診断されました。

幸いにも症状の進行は遅く、
今でも杖をついて、歩くことはできています。

この春
一般企業に就職することができました。

しかし最近、転倒し、
自分で起き上がることができず

徐々に症状が進んでいることを
自覚するようになりました。

普段はとても気丈に、明るくふるまっている彼女が
リハビリのあと、
心がいっぱいいっぱいだったのでしょう。
不安が涙になって
溢れてしまったそうです。

先日お母さまと一緒に受診され
その話になりました。

母は、彼女が夜中に泣いていることを
初めて知りました と。

そんなとき、
私はどんなことを言えばいいのでしょうか?

健康な私には
どうしたって、
彼女の気持ちをすべてわかる、 
などど言う資格はありません。

想像することはできるけれど
偉そうなことを言って、励ますことなどできません。

その時、私が言えたことは

「偉そうなことは言えないけれど、
今はこの気持ちを 乗り越えなきゃいけない時期だと思う。

症状は進んでしまうけれど、
失われていく機能を嘆くのではなく、
残されている機能を使って
もっとできることを増やしましょう。
パソコンだって、もっと使えるようになれるよね?
前を、上をみよう。

今は医学がどんどん進歩していて
この病気についても治療法の研究が 
すごい勢いで進んでいます。
まだ臨床応用はされていないけれど、
症状の進行を抑制するばかりでなく
治してしまう治療法だって研究が進んでいる。
だから決して 希望を捨てないで。

そして職場では、無理をしないで。
頑張るだけじゃなくて、
弱いところを見せられる関係を作ろうね。

今ある機能をできるだけ維持できるよう
私たちも精一杯、考えていくね。
一緒に頑張ろう。」

もっと気の利いた話しはできないものか と
ただただ反省(/_;)

2年前、北海道の八雲病院に勉強に行ったとき、
カリスマPTの先生に、こう言われたことを、
うちのPTが 思い出させてくれました。

「失っていく機能を嘆くのではなく
その時その時の状態で 人生を書き換える
勇気を持ってほしい。」

深い言葉です。

私はまだまだ、修行が足りません。

読んでくださってありがとうございます。

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