ダウン症の染色体異常について

こんにちは! 
今日はダウン症の2回目です。
 
8月4日に東京ファッションタウンビルで行われた
発達協会主催のセミナー
 
「ダウン症への理解と生涯発達をふまえたサポート」
の中で、
 
私は運動発達と整形外科的合併症について
お話しさせていただきました。
 
私の前に2コマ(なんと3時間!)、講演された橋本創一先生は
ダウン症について研究されている、
数少ない(日本には3~4人しかいないそうです。)先生でした。
 
医師ではなく、教育者としてのお話を聞く機会がはじめてで、
とっても勉強になりました。
 
そこで仕入れた情報も、皆様にたくさんお伝えしたいです!
 
 
その前に…今日は染色体の話です。
 
 
ダウン症の確定診断は、もちろん染色体の検査ですね。
 
常染色体21番のトリソミー(本来2本であるべき染色体が3本ある)です。
 
本来、ヒトの染色体は、常染色体22対(44本)+性染色体1対(2本)です。
 
お母さんから常染色体22本(半分)+性染色体X、
お父さんから常染色体22本(半分)+性染色体XまたはY
をもらうわけですが、
 
これがダウン症児の場合(標準型では)
 
お母さんまたはお父さんの21番目の常染色体が、精子、または卵子になるときに分離できず
 
どちらかから2本もらうため、合計3本になってしまうわけです。
 
 
さてモザイク型っているのがあるのをご存知でしょうか?
 
モザイク型は、21番目の染色体が3本ある細胞と、2本の細胞が混在しているタイプです。
 
全体の1~2%と言われています。
 
このタイプの方は、受精した後の最初の細胞分裂で、
21番のみ分離不十分で起きるようです。
 
症状は標準型のダウン症に比べて軽度です。
 
知的障害も少なく、一般の方と変わらず生活されている人も多くいます。
 
芸能人で、ダウン症かも?!なんてうわさされている人の中には
モザイク型の方がいらっしゃるかも…
 
 
私の患者様にもみえますが、
 
パッと見て、お顔も言われなければ気が付かないし、
 
学校も 普通級で頑張っています。
 
 
その他転座型、っていうのもありますが、
 
これは3本目の染色体が、別の染色体にくっついてしまっているタイプで
約5%と言われています。
 
これは半分は両親どちらかがその転座染色体を保有していることが原因です。
 
 
 
今日も読んでくださって ありがとうございます(*^-^*)

脳性麻痺の定義

こんにちは!
 
今日は脳性麻痺のおはなしです。
 
脳性まひの定義、ご存知ですか?
日本では昭和43年に、当時の厚生省が
「脳性小児まひの成因と治療に関する研究」
を発表し、以下のように定義づけました。
 
「脳性麻痺は、受胎から新生児期(生後4週以内)までの間に生じた
脳の非進行性病変に基づく、永続的な、しかし変化しうる
運動および姿勢の異常である。
その症状は満2歳までに発現する。
進行性疾患や一過性運動障害または将来正常化するであろうと思われる
運動発達遅延は除外する。」
 
ここでポイントは、
①原因が、ママのおなかの中にいる間~生まれる瞬間~生まれて4週間以内に起きた何か(例えば脳出血、酸素不足など)であること。
②脳の病変は進行しないこと
③病変は治らないこと
④脳の病変は治らないが、症状は成長とともに変わってくる
運動と姿勢の異常:運動発達が進まない、皆と違う格好になる、違うやり方で運動発達がゆっくり進むなど
⑥症状が出るのは生まれてすぐのこともあるが、しばらくたってわかることも。遅くとも2歳には発現する。
⑦進行する病気(脳腫瘍とか、変性疾患とか)や、完全に治る病気(脳炎の一部など)は脳性麻痺に含まない。
⑧運動発達や知的発達が、ただゆっくりなだけの場合も、除外される。
 
ということです。
たったこれだけの文章の中に、すごく内容が濃いです。
 
ちなみにこの定義は、脳性麻痺を一種の症候群とみなしていますね。
疾患(病気の)概念ではないことから、
 
2006年、AACPDM(American Academy for Cerebral Palsy & Developmental Medecine)
が、以下のように定義し、日本でもそれが使われるようになりました。
 
・脳性麻痺とは、発達期の胎児または乳児の脳に生じた非進行性の病変による運動と姿勢の発達の永続的で、活動を妨げるような障害の一群を指す。
・脳性麻痺の運動障害はしばしば感覚、知覚、認知、コミュニケーション、行動の障害およびてんかん、二次的な筋骨格の問題を伴う。
 
これは疾患概念になっています。
 
今日はめっちゃ難しい(PTさんには常識でスミマセン)お話でした。
 
ところで、小児麻痺には2種類あることをご存じですか?
小児麻痺には
*脳性(小児)麻痺
*脊髄性小児まひ
があるんです! 時々ごっちゃにしている人がいますよ~~
 
脊髄性小児まひは、「ポリオ」という病気です。
予防接種の普及によって、日本ではもう見られなくなりましたが、
こどものころ罹患された、50歳代以上の患者さんは今もいらっしゃいます。
両下肢のまひで、多くは長下肢装具をつけて歩かれています。
これは脳性麻痺とは全く別の病気です。
 
紛らわしいので、脳性麻痺のことを「小児まひ」とは言わないほうがいいですね。
 
 
今日も読んでくださって ありがとうございました!(^_^)/
 

赤ちゃんの股関節脱臼について

こんにちは!
 
小児整形外科疾患 第1回目です
 
 
さてさて新生児期~乳児期の、3大小児整形外科疾患、というのがあります。
1.先天性股関節脱臼
2.筋性斜頸
3.先天性内反足
この3つです。
 
小児整形と言えば、なんといっても股関節脱臼!
今日は股関節脱臼のお話を致します。
 
 
私がまだ若かりし頃、乳児期に見つかる股関節脱臼を
「先天性股関節脱臼」(Congenital dislocation of the hip:CDH)
と習い、出生前に外れると考えられていました。
 
しかし30年くらい前、出生後の環境も大きく関与することから
「発育性股関節形成不全」
(Developmental dysplasia of the hip:DDH)という名称が出現し、
今ではこちらが主流となっています。
この真ん中のDについては、
dysplasia,
dyslocation,
dysplacement,
等、最初は色々使われたようです。
 
なんだか堅い話ですみません。
 
つまり、股関節脱臼の原因として、出生後の環境が大きく関与する、ということです。
生まれたときは外れてなかったのに、
赤ちゃんの扱いが悪いと、外れてしまう、ということ。
これ、重要です!
次回はその原因について、解説します。
 
 
 
 
実は何を隠そう、私も赤ちゃんの時、股関節脱臼(亜脱臼?)だったとのこと。
母は大学病院まで、私を連れて通っていたそうです。
ギプスをはめたとか。
でも大学病院まで通うのが大変で、
途中でやめちゃった (;^ω^)
と聞いています。
おいっ!!
 
そのせいか、いまだに内股歩きです(*´з`)
 
ではまた!
読んでくださってありがとうございます(^.^)

正常発達1.くびの座り

こんにちは!
 
今日は正常発達についてお伝えします。
赤ちゃんが満期出産し、すくすくと運動発達が進んだ場合、
だいたいどんな風に運動を獲得するでしょうか?
 
まずは定頸(首の座り):これは大体3~4か月
くびがすわるって、どういうことか、説明できます?
抱っこしても、首がぐらぐらしなくて、
うつぶせにすると、自分で頭を起こして前を見、左右を見渡すこともできる状態。
このとき、勢いをつけたり、つっぱって上を向きすぎたりしているのは
あまり良い定頸とは言えません。
くびがすわっているということは、頭を支える首の筋肉が、
前後・左右、どの部分もバランスよく働いて、
自分の意志で頭を動かすことができる状態です。
これ、結構難しいんです。
 
 
ダウン症児等、筋力が弱くて柔らかい(よく筋緊張が低い、と表現します)子どもさんは
時々うつぶせで首を強く伸展させて、上を向いていることがありますね。
これを「こんなに頭を挙げられるなんて、すごくしっかりした!」
と勘違いすることがあります。
上を向くほど首を伸展させているのは
くびの前の筋肉がしっかり働いていないから。
首の筋肉のアンバランスが原因です。
しっかりした定頸のためには、くびの前の筋肉も働かせることが大事です。
なので、うつ伏せで、おもちゃで首を挙げる誘導をするときは
上過ぎはだめで、
ちょうどまっすぐ前を向けるくらいの高さにしてくださいね!
 
ということで、今日は定頸についてお話ししました。
次回の正常発達は、寝返りです!
 
今日も読んでくださって、ありがとうございます(*^-^*)

熱中症に注意!

こんにちは
 
まだまだ暑い日が続いています。
大人もこどもも、熱中症には十分注意が必要です。
特に障害をお持ちの子どもさんは、体温調整が上手にできず、熱がこもりやすい子がたくさんいます。
自分で症状を訴えられなかったりするので、周りが十分すぎるくらい、気を付けてあげましょう。
 
いつもより元気がない ぐったりしている だるい
いつもより体温が高い
食欲がない
おしっこがあまり出ていない
気持ちが悪い 嘔吐する
頭が痛い
などなど
初期症状はさまざまです。
 
熱をこもらせないために
バギーに載せて長く屋外を移動するのは危険です!
アスファルトからの熱で、ものすごく暑いのです。
 
でもどうしても外出しなければならないときは、
短時間、バギーで出かけるわけですが
 
中にはバギーの背もたれ部分に、扇風機を内蔵している人もいます。
 
これ、グッドアイデアですね!
 
それから首の後ろには、冷凍庫で凍らせたゲル状の保冷剤、
(ドラッグストアにいろいろありますね!)
これも必須です!
 
実際に熱がこもってしまったときは
大きな血管が体表近くを流れてるところを、保冷剤や氷で冷やします。
 
(氷はビニール袋に水と氷を入れて、口をしっかり縛ったものが冷やしやすいです。)
 
場所はわきの下、足のつけ根(股関節)、くびなどです。
 
電解質バランスの良いドリンクを飲ませ
(ゼリー状のものが飲ませやすいかも)
(これは子どもさんが飲めるものを事前に準備しておきましょう!)
 
飲んでくれない、おしっこが半日出ていないようなら、
すぐ主治医に相談を!
 
早く涼しくなってほしいですね…

重症児、何歳まで発達・成長する!?

今日は

最近あった、ときめいちゃった話をします(*^。^*)

 

最重度の脳性麻痺で、幼少期から診ているJちゃん(23歳男性

思うように動かせるのは左手だけで、くびも座っていない、

坐位ももちろん取れない患者さんです。

 

でも言葉の理解は結構できていて、

「Jちゃんは、イケメンだね~」と私が言うと、

いつも満面の笑顔を見せてくれる、そんなnice guyです。

 

 

先日診察時に、母が

「最近しゃべれるようになって…」っておっしゃるのです。

最近って、

もう23歳だし???

以前から、「ハイっ!」 って返事らしき声は出してくれるけど、

いままで有意語は、ほとんど聞いた事がなかった…

 

と思いながら、試しに

「Jちゃん、私はだれか知ってる?」と訊いてみたんです。

 

そしたら なんと、

 

「しのぶさん!」

 

って呼ぶじゃないですか!( ;∀;)

 

ひぇ~~!!

もう診察室で大騒ぎです。

 

まだまだ進化、成長しているJちゃん。

私のことを、「先生」ではなく、

「しのぶさん」っていうなんて

やっぱ Jちゃんは イケメンだわ~ッ(*^。^*)

 

久々に、男性から名前で呼ばれ、

ドキドキした 嬉しい一日でした。(*´з`)

 

私も ン歳、だけどまだまだ進化します!!

 

ダウン症はなぜダウン症って名前なの?

今日はダウン症についての1回目です。

ダウン症って、なぜダウン症っていう名前なのか、ご存知ですか?

ダウン症は、1866年、英国のLangdon Downさんが初めて報告した先天性の知的障害を伴う奇形症候群です。

当時Downさんは、Darwinの進化論の影響を受け、
蒙古系人種に似て扁平な顔貌と、つりあがった目を持つこの疾患が、
人類の進化の過程に関連する、と考えたんですって!

それで別名mongolism(蒙古症)と言われたんです。

 

もちろん、のちに原因が染色体異常であることが判明し、
mongolismの名称が正しくないことが分かったのですが、

ダウン症の手相が頭脳線と感情線がつながっている、
お猿さんに多い手相だったり、

(でもこの手相はマスカケ線といわれ、精神力が強く、情熱的で、根性がある強運だそうです(*^^)v)

足の親指が、まるで手の指のように曲がっていたり
(木に登るお猿さんは、足でも木の枝をつかめるように、
手の指のような向きになっている)、

(これは第1中足骨内反、趾節間外反母趾という、
ダウン症に特徴的な足の変形です。後日説明しますね)

「先祖返り」と言われる所見も実際あるんですね。

 

なんだか興味深いです。

今日はこれくらいで。

読んでくださって、ありがとうございます!

blog開設!!

はじめまして!

多和田忍と申します。

 

小児整形外科、小児リハビリテーションに携わってもうすぐ27年。

ダウン症児をはじめとする数々の染色体異常、脳性麻痺、
発達障害、二分脊椎などなど、
たくさんの障害を持ったこどもさんと関わってきました。

こどもたちは、どの子も本当に可愛くて、切ないくらい素直で、
その笑顔に支えられて、ここまできました。

クリニックの医師として、自分ができることは限られていて、

もっともっと多くのこどもたちのお役に立ちたい。
離れているところにも、何か私でお役に立てることがあるかも。

その思いから、このメルマガをはじめることにしました。

こどもたち、そしてこどもたちを支える皆さんと
共に歩んでいけたらと思います。

どうぞよろしくお願いします(^^)/

 

色々な職種、立場の方々に楽しんでいただくため、
色々なジャンルについて、かわるがわるに投稿します。

①子どもの正常発達 運動発達遅滞など

②子どもの整形外科的疾患

③脳性麻痺など

④ダウン症など

⑤その他 つれづれに

 

そんな感じで始めてみます。

 

長く続けていけるよう、自分も楽しみながら

読んでくださる皆さんにも 楽しんでいただけるよう

わかりやすい、をモットーにまいります。

リラックスして読んでください。

 

WEBやパソコンに めっきり弱い私ですが

どうぞよろしくお願いいたします!